英信流の特徴

現存する流派は多々ありますが、会員数で比べると、無双直伝英信流、夢想神伝流、無外流などが多い傾向です。
今回は無双直伝英信流(以下、英信流と略す)の特徴を書きます。

まず、英信流といっても、宗家も連盟も複数います。たいてい、宗家と連盟の会長を兼ねた方々が多いです。

また、夢想神伝流は英信流から独立した流派なので、近い関係です。

では、英信流の特徴を書きます。

①護身術である
これは居合道としての特徴でもありますが、居合道は、基本的に刀を鞘に納めた状態から片手の抜き打ちを中心に始まる古武道です。
もともと刀を鞘に納めた状態とは、武士の平常的な状況です。
しかし、急遽、襲われた時に撃退する護身術としての武道として発展しました。
稽古時も、仮想の敵が先手を打つ時に対応することが土台となります。
ゆえに、英信流は護身術としての要素が強い古武道です。
もっとも、相手が居合で急襲してくることもあると思います。

②シンプルな動き
他の流派と比べると、かなり最小限、最短距離、の動きで無駄がないのが特徴です。
例えば、納刀ですが、流派によっては納刀だけてもかなり動きや時間をかける道場が多いと思います。
また、形によっては、共通部分が多く、いくつかの形を混ぜた形も多いです。

なので、ざっと70本くらいの形がありますが、20本くらいの形が応用されて増えたような感触もあります。

なお、剣士の技量の状態に合わせた形もありますので、形は似てても全く異なる動きが求められる傾向にあります。

③正座、立膝、立ち技
正座の状態から始める形、
立膝の状態から始める形、
立った状態から始まる形、

と3つになります。

多くの剣術流派は、立ち技が中心だと思いますが、居合や英信流は正座や立膝が中心です。

④斬り方
ほとんどの最初の一刀目は、片手の抜き打ちとなります。

横一文字、
袈裟、
逆袈裟、

となります。
例外としては、抜き打ちせずに、振りかぶったり、突いたり、受け流したり、などもあります。

片手の抜き打ちは、基本にして、ずっとつきまとう課題です。
簡単に正確な刀線を描いて斬るのが難しく、パワーやスピードも出しずらいです。
これを怠ると、何年経っても、本当に斬れる抜き打ちはできません。
身長と手の長さと刀の長さ、のバランスも大切です。

⑤形のスピード
最初から、ゆっくり大きく抜いたり振ったりすることを稽古します。

ずっとゆっくりなわけでもないのですが、気負ってドタバタしてもダメでして、ゆっくりが気付けば速くなる、傾向が目標とされます。

1つの形の中でも、緩急をつけた所作にしたり、身体に形を染み込ませることで、滑らかな中にメリハリのある所作が生まれてきます。

⑥刀の長さ
多くの英信流の道場は、一律、最低でも二尺四寸、長くても二尺六寸未満とかあったりします。
これはそれぞれの身長を考慮するのとは逆の傾向になります。

身長160㎝、170㎝が共に二尺四寸もありえる状況です。
もちろん、その剣士の技量の状態も影響しますし、道場別に方針が異なることもあります。

⑦形の意味
全ての形には意味があります。
何人の敵がいて、どう攻めてくるから、どう対応するか、ということです。
繰り返し稽古するたびに、「これでいいのか。本当に通用するのか」と疑問が湧いてくるはずです。

このニュアンスや呼吸がとても大切で、決して実戦では異なる展開なのですから、形を覚えても、形にとらわれない心構えが大切です。

そうすると、同じ形でも、皆、異なる個性が出てきます。

先生の動きをコピーするだけではなく、終わりなき境地を追求することに、醍醐味があります。