研ぎ上がった刀の鞘の鯉口が緩くなったので、修理しましたが、
その際、濃口をきつくしすぎて棟側を割ってしまいました。
刀屋に修理依頼すれば、15,000円(鮫皮巻き)くらいで注文できますが、
鞘本体は、新規注文で4〜5万円ですので、ちょっと高いと思います。
そこで、今回は、ホームセンターで下記の素材を入手して、自身で修理しました。
・真鍮の薄板(0.3mm)
・ナイロン糸(釣り糸と同じ様な頑丈な糸)
・カシュー塗料(黒)
・ペイントうすめ液(カシュー塗料うすめ液の代用)
・耐水ペーパー(#400、#1500、#2000)
・籐(以前まとめて購入済み。約3000円でまとめ買い。)
それでは修理開始します。
①真鍮の薄板を貼る
濃口から栗形までを少し削ったり、割れた部分を整えてから、ハサミで切った真鍮の薄板を巻き付け、トンカチで叩いて馴染ませます。金属対応の瞬間接着剤で取り付けたら、ゴムなどで巻いて固めます。
②ナイロン糸を巻く
真鍮の薄板を強く巻き付け、さらに、上からナイロン糸を強く巻き、瞬間接着剤で固定します。
ナイロン糸を巻く時、始めと終わりは気をつけてください。
始めと終わりは、それぞれ、3本くらいずつに内側に差し込んでから、強く引き、余った部分をカットします。
③籐を巻いて、塗装する
ナイロン糸と同じ原理で、籐を巻き、カシュー塗料を塗ります。
カシュー塗料とうすめ液は、6:4くらいを勧めます。
何回かに分けて塗ります。
塗り始めて24時間後には、乾いてます。
とても臭うので、屋外での作業がいいです。
④鞘を塗る
もともと焦げ茶の鞘でしたが、籐巻の黒に合わせて、鞘全体も黒く塗りました。
すでに4年ほど愛用しており、かなり劣化してましたので。
塗り終わって、24時間経ったら、耐水ペーパー(#2000)で優しく整えて完成です。
⑤完成
全体的に整いました。
籐巻きだけでは、補強としては怖かったので、真鍮薄板やナイロン糸で頑丈になりました。
鞘を細いままで使いたければ、鞘をたくさん削って埋め込む様に、籐巻きがいいと思います。